2011年7月14日木曜日

AKB48総選挙の高投票率に見るネット選挙の今後


デジタルネイティブ世代の心を掴んで大成功!?
AKB48総選挙の高投票率に見るネット選挙の今後
ダイヤモンド・オンライン 7月12日(火)8時31分配信


前田敦子が1位に返り咲き、今年も大きな話題を呼んだAKB総選挙。総投票数が前回の約3倍にあたる116万6145票という注目度の高さだったが、CD(今回は5月25日発売の21stシングル「Everyday、カチューシャ」)を1枚買うごとに1票投票できるシステムは依然として賛否両論を呼んでいる。そうしたなか、このAKB総選挙について、投票システムの運営と投票結果の集計を行ったパイプドビッツ(東京都港区)が、同社が運営する政治情報資産クラウド「政治山」が行った投票分析結果を7月1日付けで発表した。アンケートは、CD投票券による投票者に実施し、50万5505件の回答を得た。

「CD1枚につき1票」が大きく取り上げられているが、CDを買わなくてもファンクラブや携帯サイトの会員になっていれば投票は可能。CDについている投票券と、ファンクラブ会員であることで得られる投票権を使用して複数回投票することもできる。

分析の結果、総投票数のうち、CD投票券による投票数は77万9090票。全体の約3分の2をCD投票券による投票が占めた。

発売元であるキングレコード調べでは、投票締め切りの6月8日までの「Everyday、カチューシャ」の売上は約100万枚。CD投票券による投票は77万9090件だったので、“投票率”は約78%だったことになる。投票券を得るためだけに大量にCDを購入するファンの存在が指摘されていたが、純粋に楽曲を楽しむ目的のみで購入した人も少なくなかったことが明らかとなった。

では、投票者の男女比と年代構成比はどうなっているのだろうか。アンケートによると、最も投票数が多かった層は10代男性で30.8%。約3分の1を占めた。次いで20代男性(18.4%)、10代女性(16.0%)、30代男性(12.5%)、20代女性(6.2%)と続く。CDを購入しない世代と言われてきた10代の投票数が高いことに、“AKBビジネス”の成功を改めて感じる人も多いのではないか。

また今回の投票は、インターネットによって16日間及ぶ期間中、24時間体制で行われた。日付別投票数の推移を見ると、最も投票数が多かったのはCD発売初日の7万7260件(投票は発売日の前日、5月24日にスタート)。そこからいったん投票数が減り、締め切り日が近づく6月4日頃から再度上昇。最終日前日に7万3202件、最終日には7万2258件の投票があった。時間帯別投票数も集計すると、最も投票が多かったのは20時~22時にかけて。夕食後や帰宅後の“自分の時間”を使って投票していることがわかる。

調査を行った「政治山」は、「高い投票率を記録した要因として、何よりもファンによる強い支持が挙げられますが、その他の要因として、インターネット投票による貢献が挙げられます」「コアなファン層が10~20代であるという前提はあるものの、若者の投票数の多さをみると、国政選挙や地方選挙における若年層の投票率向上を図る上では、投票手段としてインターネットを活用することは有効かもしれません」と総評している。

確かに、自宅で好きな時間に1票を投じられるインターネット投票でなければ、投票数が116万票超まで伸びることはなかっただろう。その背景にはAKB48のファン層が、インターネットを使ってコミュニケーションを取ったり、ネットショッピングをしたりすることに抵抗のない世代だったことも投票率の高さにつながったと思われる。

同社では今春にも、「普段投票しない20~30代の約8割が『ネットなら投票』する」と回答したアンケート結果を発表している。実際の選挙をネットで行うにはもちろん多くの課題がある。しかし、ネットを通じての“投票”が次第に身近なものになってきているのは事実のようだ。

(プレスラボ 小川たまか)


引用元:Yahoo!ニュース

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